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2年前、誰もが不可能と言った真名瀬浜の遊歩道の代わりは実現する?

森戸神社前、名島と富士山が見える真名瀬の浜は漁港に見えませんが「漁港区域」です。
2年前、その浜に観光優先とした「コンクリートの遊歩道」を作ろうとした葉山町・・・。
現在は3月19日に真名瀬漁港施設整備検討委員会から提出された「答申書」にそって動き始めました。3月27日、森町長から産業振興課へ正式な指示書も出されたようです。
5月13日の県へのヒアリングに向けて、入札したコンサル会社「株式会社センク21」が現在「第1次案」を作成のようです。
4月から開始された町長の活動記録にも掲載されています。

2009年04月09日(木) 県環境農政部水産課長より連絡
真名瀬海岸の遊歩道に替わる事業案の認可申請のための県とのヒアリングの日程が5月13日(水)と決まった、と8日付けの文書が本日届きました。それまでに関係資料の用意をすることとなります。いよいよ真名瀬問題の大詰めを迎えることとなりました。


参考までにここに「真名瀬漁港の施設整備に関する答申書」を掲載いたします。



              平成21年3月19日
葉山町長 森 英二 殿
              真名瀬漁港施設整備検討委員会

真名瀬漁港の施設整備に関する答申書

真名瀬漁港施設整備検討委員会は、平成21年1月8日に葉山町長から受けた真名瀬漁港の施設整備に関する諮問について、このたび最終報告を取りまとめましたので、ここに提出いたします。

目 次
1.はじめに
2.施設整備を考える上で重視すべき点について
3.今求められる施設整備について
4.その他の施設整備および関連事業について
○委員会開催経過概要

1.はじめに
当該委員会は、漁村再生交付金事業実施要領第4の2にある「漁村再生計画を策定するに当たっては、関係機関や施設の予定管理者等と協議調整を図るとともに、漁業者を含めた地域住民、水産業協同組合、水産物の流通業者等により構成される協議会その他これに準ずる組織を設置し、地域関係者の意向を十分に反映するものとする」といった条文に則り、町長の私的諮問委員会として、平成21年1月8日に発足した。
町当局代表である町長、漁業協同組合員、様々な立場の地域住民からなる委員22名より構成され、真名瀬漁港施設整備について協議したものである。委員会では、委員それぞれの立場からの意見を公平に聞き、お互い尊重し合い、以下に示す内容に合意するに至たった。
この答申を深く重んじるとともに、答申内容を十分反映した事業を円滑に進めるよう、町当局を始めとする行政に強く求める。
早期事業化によって、葉山の漁業が再生されることを、委員一同願うものである。


2.施設整備を考える上で重視すべき点について
真名瀬漁港区域を含む葉山の海は、葉山のまちづくりを考える上で、最も重要な資源の一つである。
葉山の海は、複雑な地形や海流などの自然的要因の影響により、様々な種類の生物が存在している。葉山の海の豊かさは、この生物の多様性が源泉となっていることは明らかであり、町の持続的な発展のためには、豊かな海の自然環境を積極的に保全していくことが大切である。
また、真名瀬漁港を含む周辺地域は、“漁港区域”、“海岸区域”、“都市住民と漁業者の居住区域”が組み合わさり、自然的風景と相まって独特の風景を醸し出している。この風景は書籍や番組など色々な機会で広く紹介され、葉山町を代表する景観であり財産といえる。
この豊かな自然環境や景観を求めて、漁港を含む周辺地域は、四季を通じて町内外の人々が訪れる観光スポットとなっている。人々は釣り、海水浴や散策などを通じて海に親しんでおり、漁港を含む周辺地域は人々の娯楽、保養、そして憩いの場となっている。
このようなことから、真名瀬漁港の施設整備を進める上でも、「自然環境」と「景観」の二つの側面に対する最大限の配慮が必要である。そして、葉山町の持続的な発展のためには、それぞれの側面を保全し、お互いのバランスを図るとともに、今以上に良くしていこうという観点が大切である。


3.今求められる施設整備について
当初、本検討委員会は、漁村再生交付金事業要領に準拠し、遊歩道が分類される「漁港環境施設」のメニューの中から、遊歩道代替案を決めるという目的で始まった。しかし、1月28日に葉山町役場で行われた国(水産庁)、県(水産課)および町との会談の場で、水産庁から“平成22年度に行う事業の予算内容の要望については、「環境施設整備」という限られたものに囚われるもことはない”という助言があった、本検討委員会はこの助言を鑑み、「環境施設整備」に囚われずに、“葉山町民にとって真名瀬漁港に求める施設整備”を協議し、決定するという目的に変更した。
協議の中で、“真名瀬・芝崎地区の越波対策のための施設整備”、“漁港区域内へのボート置き場設置”、“身障者などの社会的弱者が海に親しむため施設”といった要望や、何も施設を作らずに事業費を返還するという考えも出された。
しかし、本委員会では、次の点を重視した。
①漁村再生交付金事業計画の根拠となっている「平成15年度 真名瀬漁港区域再整備調査業務委託 報告書」(平成16年3月 葉山町/ 財団法人 漁港漁場漁村技術研究所)に明らかなとおり、計画当初から「老朽化した船揚場改修」が漁業者より強く要望されていること。
②昨年秋に、船揚場改修などの漁港整備に関する陳情書が葉山町漁業協同組合から葉山町議会定例会に提出され、議員と漁業者の懇談会を経て、採択されるなど、漁業者の要望は今も変わらず、また議会の関心も高いこと。
船揚場は、昭和39年の竣工以来局部的改良事業が行われているものの、至る所で亀裂や陥没が認められるなど施設の老朽化が著しく進み、極めて危険な状況になっている。一方、漁港内に共用の水道施設がないために、水揚げの都度場外から水を調達しなければならず、このことが漁業者の過度な負担となっている。このようなことから、漁業者が安全・安心に、過度な負担なく作業を行えるような漁港施設整備が大切である。
葉山の漁業は、日本の他地区の漁業と同じく、従事者の高齢化、産業構造の転換、海の環境の変化などによって、その存続が危ぶまれている。葉山だけに限らないが、沿岸漁業が産業として成立しなければ、日本の水産資源、ひいては日本の漁食文化の継承は成り立たないといえる。漁業者の自助努力も当然であるが、漁業が魅力的な産業になるよう、行政と住民が一体となって支援することが今必要である。
以上を踏まえ、漁業者からの強い要望である「船揚場改修」および「水道施設設置」を、漁村再生交付金事業で最優先に行うべき施設整備として求めるものである。
なお、船揚場改修といった施設整備の際にも、「自然環境」や「景観」に配慮することはいうまでもない。


4.その他の施設整備および関連事業について
当該委員会で協議された今回の漁村再生交付金事業以外の施設整備および関連事業について、以下のとおりに求める。

①漁業者と都市住民の交流の場について
現在、真名瀬漁港には遊漁業を通して一部の漁業者と都市住民が交流する以外、他の漁業者と都市住民が日頃交流する場が無い。このことは、都市住民が目の前にある葉山の海の豊富な水産資源の恩恵に浴することができないばかりか、漁業者の孤立化の一因にもなっており、町全体の良好なコミュニティ形成にとっては由々しきことである。
したがって、漁業者と都市住民が交流する場(水産物販売が可能なスペースが設けられ、日常的に漁業者と都市住民が共に憩える場)の設置を求めるものである。


②越波対策の施設整備について
芝崎地区の海に面した道路は台風などの高潮時に浸水するともに、護岸各所に亀裂が見られるなどの老朽化が進んでいる。したがって、越波対策を目的とした護岸改修や防波堤整備の必要性は高いといえる。
しかし、当該委員会では、越波対策の施設整備について協議した結果、事前事後の効果確認を含めた事業スケジュール面での難しさや事業予算の観点から、漁村再生交付金事業では対象外とした。
ただし、近年の地球温暖化による海水面上昇に起因した高潮被害の問題を考慮すると、芝崎地区住民の不安な気持ちは十分理解できるものであり、できる限り早く施設整備をすることが求められる。
このようなことから、町当局の支援の下で、国、県が進める海岸保全事業などで早急なる施設整備がなされるよう強く望むものである。

③漁港内へのボート置き場について
現在真名瀬漁港区域内には、漁業者以外のボートが不法係留されており、町当局から撤去命令が出ている。当該委員会では、漁港内へのボート置き場設置について、ボート所有者からの要望があり協議した。
この件については、法的問題の解消とともに、一部の所有者への便宜供与といった公平性の問題もある。一方で、プレジャーボート置き場設置を含むボート利用者の漁港利用が、漁業が衰退する中での漁村づくりの新たな取り組みとして検討すべき側面も否めない。
以上の点を鑑み、ボート置き場については、当該漁村再生交付金事業では取り扱わないものの、漁業者、ボート所有者並びに町民による建設的協議の場が、今後町当局主導の下で設けられることを強く望むものである。

以上


真名瀬漁港施設整備検討委員会 委員会開催経過概要

  回数    開催月日   出席者数    主な協議内容
・第1回1月8日(木) 19 諮問内容、委員会の位置づけ・進め方およびスケジュール等の確認
・第2回1月31日(土)18 委員会運営に関する協議、交付金事業の経緯確認、委員会検討範 囲の協議
・第3回2月14日(土)17 各代替案の説明、最優先整備施設の協議
・第4回2月28日(土)18 最優先整備施設の協議(前回決定事項の再確認)、答申内容および委員会中間報告内容の協議
・第5回3月14日(土)19 葉山町漁業協同組合の要望書説明、答申内容の最終決定

by shiritaikai | 2009-04-26 09:35 | 海・海岸  

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